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ちょっと気になる“糖尿病”のお話⑧

こんにちは。
松本ほがらかクリニック阪急高槻市駅前の渡邉です。

12月25日に第3回の駅前ほがらかセミナーが院内で開催され、足元が悪い中たくさんの方にお越しくださりありがとうございました。普段外来では聞けないことを知ることができた、また合併症の怖さを実感しましたなどのご意見も頂きました。ちょっと気になる”糖尿病”の話の連載は第8日目にはなりますが、今回と次回は合併症について先日のセミナーで使用したスライドをもとに進めていきたいと思います。
まず今回は糖尿病がなぜ“全身の病気”と呼ばれるのか、そして合併症がいつ・どのように起こるのかを中心に解説します。

糖尿病の本当の怖さは「血糖値」そのものではありません「血糖値が高いと言われたけれど、特に症状はない」そう感じておられる方も多いと思います。しかし、糖尿病で本当に問題になるのは、高血糖が長期間続くことで、全身の血管が少しずつ傷ついていくことです。

血管は、目・腎臓・神経・心臓・脳・足など、全身の臓器に張り巡らされています。そのため糖尿病は、特定の臓器だけの病気ではなく、「全身に影響する病気=全身病」と呼ばれます。糖尿病の主な合併症とは?糖尿病で特に注意が必要な合併症には、次のものがあります。

  • ・糖尿病神経障害
  • ・糖尿病網膜症
  • ・糖尿病腎症
  • ・大血管障害(動脈硬化)
     → 心筋梗塞・脳梗塞など

これらは互いに無関係ではなく、同時に、あるいは連続して進行していくことが特徴です。合併症は「ある日突然」ではありません。また糖尿病の合併症は、発症直後に起こるわけではありません。多くの場合、発症から数年で 神経障害さらに時間が経つと 網膜症・腎症10年、15年と経過する中で 動脈硬化が進行というように、年単位でゆっくり進行していきます。問題なのは、かなり進行するまで症状が出にくいという点です。その結果、失明・腎不全・心筋梗塞・脳梗塞・足壊疽といった、生活や命に関わる状態で初めて気づくこともあります。

糖尿病の代表的な細小血管合併症は、「し・め・じ」で覚えると分かりやすいです。

  • し:神経障害
  • め:網膜症
  • じ:腎症

これらはすべて、血糖コントロールが不十分な状態が続くことで起こります。症状がない「今」が、実は一番大切な時期「特に困っていないから、通院はもういいかな」そう思ってしまう気持ちも分かります。しかし、糖尿病の合併症は症状が出る前から静かに進行しています。血糖値・血圧・脂質・定期的な検査これらを継続して管理することが、将来の合併症を防ぐ最大のポイントです。

次回第9回目では、各臓器などに起こる合併症について、それぞれをもう少し具体的に、分かりやすく解説します。お楽しみに。