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糖尿病の薬、ちゃんと知っていますか?【第1回】

こんにちは。松本ほがらかクリニック阪急高槻市駅前の渡邉です。

これまで「ちょっと気になる“糖尿病”のお話」として10回シリーズでお届けしてきましたが、患者さんから「薬についてもブログで解説してほしい」というお声をいただきました。

そこで今回から、新しいシリーズを始めたいと思います。
題して、「糖尿病の薬、ちゃんと知っていますか?」 です。

糖尿病薬は種類がたくさんあります。できるだけ分かりやすく、やさしく解説していきますので、またお付き合いいただければと思います。

 

「薬が増えてきて少し不安です」 「いろいろな名前の薬があって、正直よく分かりません」

外来でよくいただくお声です。

糖尿病の薬は種類が多く、名前もカタカナが並ぶため、難しく感じてしまいますよね。
しかし実は、考え方はそれほど複雑ではありません。

まず知っていただきたいのは、糖尿病の薬は“血糖値を下げるためのアプローチが違うだけ”ということです。目的は同じでも、働き方がそれぞれ異なります。

大きく分けると、糖尿病の薬は「飲み薬」と「注射薬」に分かれます。

■ 飲み薬(経口薬)

現在よく使われている薬には、

・インスリンの効きを良くする薬(メトホルミンなど)
・インスリンの分泌を助ける薬(SU薬、グリニド薬など)
・尿から糖を出す薬(SGLT2阻害薬)
・血糖を上がりにくくするホルモンを助ける薬(DPP-4阻害薬)
・糖の吸収をゆるやかにする薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)

などがあります。それぞれ、体質や年齢、体重、腎機能、合併症の有無などによって選び方が変わります。

■ 注射薬

「注射=重症」というイメージをお持ちの方も多いですが、必ずしもそうではありません。

体重減少効果が期待できるGLP-1受容体作動薬や、不足しているインスリンを補う治療など、目的に応じて使い分けています。

大切なのは、薬にはそれぞれ“得意分野”があるということです。

「この薬が一番強い」「この薬が一番安全」という単純な話ではありません。
その方の生活スタイルや血糖の状態に合わせて、最適な組み合わせを考えていきます。

当院では、薬を増やすこと自体が目的ではありません。将来の合併症を防ぎ、安心して日常生活を送っていただくことが目標です。納得いただいたうえで治療を進めることを大切にしています。

次回は、世界で最も長く使われている糖尿病薬「メトホルミン」について、少し詳しくお話しします。