肥満症とは?
単に「体重が多い」だけではなく、肥満によって健康に悪い影響が出ている状態を指します。具体的に糖尿病のほかに、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、関節の痛みなどを伴う場合に「肥満症」と診断されます。
日本では、BMI(体格指数)25以上で、かつ何らかの健康障害があるときに「肥満症」とされます。
糖尿と肥満の関係は?
糖尿病と肥満は、切っても切れない関係にあります。特に2型糖尿病の多くは、肥満をきっかけで発症しています。中でも、お腹まわりに脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」は注意が必要です。このタイプの肥満は、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」を引き起こし、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病を発症しやすくなるのです。そのため体重の管理は糖尿病治療の大切なポイントの一つです。
近年、糖尿病と肥満症を同時に改善できる治療法が注目されています。
GLP-1受容体作動薬
インスリン分泌を促し、食欲を抑えるホルモンを利用した注射薬です。食後の血糖上昇を抑え、体重減少効果も期待できることから、肥満を伴う糖尿病の治療に広く使われています。
チルゼパチド
GLP-1に加えて、GIPというホルモンにも作用する新しい注射薬です。より大きな体重減少と血糖改善が期待できることから、世界的に注目されています。
行動療法+多職種支援
食事・運動・睡眠・ストレスケアを組み合わせて、ライフスタイルそのものを整えるアプローチも重視されてきています。
当院では、医師・管理栄養士・看護師が連携して、無理なく続けられる方法をご提案します
糖尿病と肥満、どちらかだけを治すのではなく、同時に改善していく治療がいまのスタンダードです。