妊娠糖尿病とは?
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて血糖値が高くなる状態(耐糖能異常)のことです。妊娠中はホルモンの影響で血糖が上がりやすくなるため、妊娠前は正常だった方でも、血糖の調整がうまくいかなくなることがあります。
妊娠糖尿病があると、下記のようなリスクが高まります。
- 赤ちゃんが大きく育ちすぎる(巨大児)
- 早産や帝王切開になる可能性が高くなる
- 赤ちゃんが低血糖や呼吸のトラブルを起こすことがある
- お母さんが妊娠高血圧症候群や羊水過多になることもある
- 出産後、お母さんも赤ちゃんも将来的に2型糖尿病になるリスクが高まる
こうしたリスクを予防・軽減するためには、早めの発見と適切な血糖管理がとても大切です。
診断は?
75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)が用いられます。この検査は、まず空腹時に血糖値を測定し、その後ブドウ糖75gを含む甘い飲料を飲んだあと、1時間後と2時間後の血糖値を測定するものです。
以下のいずれか1つ以上が該当すれば、妊娠糖尿病と診断されます。
- 空腹時血糖値が 92mg/dL以上
- 服用後1時間の血糖値が 180mg/dL以上
- 服用後2時間の血糖値が 153mg/dL以上
この検査は、妊娠24~28週ごろに行われることが多いですが、肥満や糖尿病の家族歴がある場合は早めに行うこともあります。
なお妊娠糖尿病と診断されても、きちんと血糖管理をすることで、ほとんどの方が安全に出産されています。
当院で行っているサポート
当院では、妊婦さんが安心して出産を迎えられるように以下のようなサポートを行っています:
- 血糖値の定期チェック
- 管理栄養士による妊婦さん向けの食事指導
- 必要に応じたインスリン治療のサポート
- 出産後のフォローアップ(産後6〜12週の再検査など)