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糖尿病の薬、ちゃんと知っていますか?【第3回】

第3回 SGLT2阻害薬について

こんにちは。松本ほがらかクリニック阪急高槻市駅前の渡邉です。

第3回目の「糖尿病の薬、ちゃんと知っていますか?」ですが、前回は「メトホルミン」について説明しました。メトホルミンは世界的にも広く使われている基本的なお薬ですが、糖尿病の治療薬には実はさまざまな種類があります。今回は、その中でも近年よく使われるようになってきた 「SGLT2阻害薬」 について、少し解説していきたいと思います。

糖尿病の治療薬の中でも新しいタイプのお薬

糖尿病の治療にはさまざまな種類の薬がありますが、その中でも比較的新しいタイプの薬の一つが SGLT2阻害薬 です。この薬は、これまでの糖尿病薬とは少し異なる仕組みで血糖値を下げる特徴があります。

従来の糖尿病薬の多くは、「インスリンの分泌を助ける」や「インスリンの効きをよくする」といった働きをするものが中心でした。一方、SGLT2阻害薬は 腎臓の働きに作用して血糖値を下げる という特徴があります。

SGLT2阻害薬はどんな薬?

通常、血液中のブドウ糖は腎臓で一度ろ過されたあと、その多くが再び体内に再吸収されます。これは体に必要なエネルギー源を無駄にしないための仕組みです。しかし、糖尿病では血糖値が高くなるため、体の中に余分な糖が増えてしまいます。SGLT2阻害薬は、この 糖を再吸収する働きを抑える ことで、余分な糖を尿として体の外へ排出するようにします。つまり、体の中の余分な糖を「尿として外に出す」ことで血糖値を下げる薬 といえます。この仕組みはインスリンに直接作用するわけではないため、比較的 低血糖が起こりにくい という特徴もあります(ただし他の薬と併用している場合は注意が必要です)。

どんなメリットがある?

SGLT2阻害薬には、血糖値を下げる以外にもいくつかのメリットがあります。

・体重が少し減ることがある
・血圧がやや下がることがある
・心臓や腎臓を守る効果が期待されている

最近の研究では、糖尿病の治療だけでなく、心不全や慢性腎臓病の治療にも使用されることが増えてきています。

そのため、糖尿病だけでなく、’’心不全’’や’’慢性腎不全’’の患者さんにも、状況に応じて処方されることがあります。

使用する際の注意点

SGLT2阻害薬は有用なお薬ですが、使用する際にはいくつか注意点もあります。

・尿に糖が出るため 尿路感染や陰部の感染症 が起こることがある
・尿量が増えるため 脱水 にならないよう水分をしっかりとることが大切
・体調が悪いとき(食事がとれないとき、発熱や下痢があるときなど)は 一時的に休薬する場合 がある

そのため、体調が普段と違うときには自己判断せず、医師に相談することが大切です。

最後に糖尿病の薬は、患者さん一人ひとりの状態や生活習慣、合併症などを考慮して選ぶことが大切です。SGLT2阻害薬も、適切に使用することで 血糖管理だけでなく、心臓や腎臓の保護にも役立つ可能性がある薬 です。

当院では、糖尿病専門医として患者さんの状態を丁寧に評価し、それぞれの患者さんに合った治療をご提案しています。長く安心して治療を続けていただけるよう、薬の効果や注意点についても分かりやすくご説明しています。糖尿病や血糖値について気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

次回「GLP-1受容体作動薬」について分かりやすく解説します。