“運動は薬です”──認知症も、がんも、血圧も守る万能の一錠
高血圧シリーズ 第5回
“運動は薬です”──認知症も、がんも、血圧も守る万能の一錠
高血圧の治療では薬が欠かせません。
しかし、もうひとつ“処方したい薬”があります。
それが Exercise Is Medicine(運動は薬) という考え方です。
運動はただの健康法ではありません。
「効果がある」「副作用が少ない」「用量が決まっている」という意味で、本物の“薬”に限りなく近い存在なのです。
しかも――
血圧だけでなく、認知症も、がんも、まとめて予防してくれる。
今回は、そんな“万能薬としての運動”についてお話しします。
① 運動はなぜ“治療薬”と呼ばれるのか?
薬のように、運動にも以下が揃っています。
✔ 効能
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血圧を下げる
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血管を若返らせる
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認知症を予防
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がんの発症リスクを下げる
✔ 用量
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週150分の有酸素運動(1日30分×5日)
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10分×3回でもOK
✔ 副作用
眠りが深くなる、気分が上がる、食事がおいしくなる
……つまり、嬉しい副作用ばかり。
これほどの薬、なかなかありません。
② 血圧が下がるだけじゃない。
認知症予防にも効果大
運動は、脳にも驚くほど良い影響があります。
✔ ① 脳の血流が改善
ウォーキングや自転車のような有酸素運動は、脳の血流を増やします。
✔ ② BDNF(脳の栄養物質)が増える
“脳の肥料”とも呼ばれるBDNFが増え、記憶を司る海馬が刺激されます。
✔ ③ 認知症リスクが30〜40%低下
世界の大規模研究で、「運動する人は認知症になる確率が大幅に低い」ことが繰り返し示されています。
つまり運動は、**脳に直接作用する認知症の“予防薬”**といえます。
③ そして実は…がんの予防にも効く
ここは皆さん驚かれるところです。
運動は次のようながんのリスクを確実に下げます。
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大腸がん:最大30%低下
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乳がん:20〜25%低下
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子宮体がん:20〜30%低下
なぜか?
✔ ① 免疫が活性化する
がん細胞を監視・処理する免疫細胞が元気に働くようになります。
✔ ② インスリン抵抗性が改善
インスリンが高い状態はがんが好む環境。
運動はこれを改善し、がんの発生を抑えます。
✔ ③ 炎症を抑える
慢性炎症はがんの温床。
運動は“体内の炎症そのもの”を下げてくれます。
運動は、がん領域でも“確実な予防効果がある唯一の生活習慣”と言われています。
④ 高血圧×認知症×がん
三つまとめて予防できる運動は、まさに万能薬
「歩く」「自転車に乗る」「軽い筋トレをする」
これらのシンプルな行動が、
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血管を守り
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脳を守り
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免疫を守り
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体重を守り
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気分も整え
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さらには寿命を延ばす
人類史上もっとも“費用対効果の高い治療”かもしれません。
⑤ 今日からできる“運動処方”
✔ 1)早歩きのウォーキング 20〜30分
“人と話すと少し息が弾む”くらいが目安。
✔ 2)家の中でもできる運動
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かるいスクワット
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椅子からの立ち座り10回×2セット
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エアロバイク10分
✔ 3)分けて行っても同じ効果
まとめて30分が難しければ、
10分×3回でOK
これは最新ガイドラインでも正式に認められた“分割処方”です。
⑥ 注意点(ここは大事)
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寒い朝は急に動かない(血圧が急上昇します)
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胸痛・息切れ・めまいがあれば中止
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「頑張る」より「続ける」を重視
継続こそ、運動の最大の効力です。
⑦ まとめ
運動は、
あなたの体が本来持っている“治す力”を目覚めさせる薬。
しかも無料で、副作用が少なく、効果が広く、即効性がある。
この世にこれほど優秀な薬があるでしょうか。
「ほがらかな明日のために今できることを」
今日から運動を楽しみましょう!

