“がまんしない減塩”――イギリスの成功例から学ぶ
高血圧の治療で欠かせないのが「減塩」です。
でも、減塩というと「味がうすくなる」「おいしくなくなる」というイメージがありますよね。
今回は、イギリスが実際に成功した減塩の取り組みを参考に、毎日の生活でできる、やさしい減塩方法をご紹介します。
① なぜ減塩すると血圧が下がるの?
塩分は体に水分をため込み、血圧を上げる働きがあります。
高血圧治療ガイドラインでは
- 1日の塩分は6g未満に
を推奨しています。
塩分を少し減らすだけで、
- 収縮期血圧が4〜6mmHg下がる
- 脳卒中や心不全の予防につながる
- 薬1種類分に近い効果がある
といわれています。
“味を少し薄めにするだけ”でも、体には確かな良い変化が起こります。
② イギリスはどうやって減塩に成功した?
イギリスは、国が中心になって減塩を進め、約10年間で塩分摂取量を15%も減らすことに成功しました。
その方法がとても参考になるんです。
🇬🇧 イギリス式・無理しない減塩のポイント
① 食品の塩分を“少しずつ”下げた
パン、スープ、ハム、ソースなど→ 食品メーカーと協力しながら、毎年ほんの少しずつ塩分を下げていきました。
味の変化に気づかないくらいのペースだったため、国民は“我慢している感覚ゼロ”で減塩に成功。
② スーパーの表示で塩分がわかりやすい
パッケージに塩分量がはっきり表示され、買い物の時に選びやすい仕組みが整いました。
③ 結果:血圧が下がり、脳卒中が減った
国全体で平均血圧が下がり、脳卒中や心臓病がはっきり減ったと言われています。
「無理をしない」「気づかないうちに減らす」
これがイギリスの成功の秘訣です。
③ 今日からできる、やさしい減塩のコツ
イギリスのように“気づかない減塩”を、日常にも取り入れられます。
✔ 1)醤油やソースは“かける”から“つける”へ
小皿に少し出して「つける」だけで、塩分は30〜40%カット。
✔ 2)麺類のスープは残す
ラーメン1杯の塩分は5〜6g。
スープを飲まないだけで半分以下に。
✔ 3)“香り”を足して味に深みを
- だし
- 柚子・レモン
- 大葉・しょうが
- ごま油
香りを足すと、塩分が少なくても満足感が出ます。
✔ 4)加工食品は塩分が多い
ハム、ソーセージ、漬物、惣菜パン、インスタント食品。
「毎日」ではなく「時々」にするだけで十分です。
✔ 5)減塩みそ・減塩しょうゆも上手に活用
最近は味の良い減塩調味料が増えています。
自然に塩分を減らすことができ、続けやすい方法です。
④ ほがらかクリニックからのメッセージ
減塩は「頑張るもの」ではなく、**“ちょっと工夫するだけで体に優しくなる習慣”**です。
普段の食事内容や生活リズムに合わせて、患者さん一人ひとりに続けやすい方法をご提案します。
「我慢せずに健康に!」
「今できることをほがらかな明日のために」
これが私たちの治療の基本です。
⑤ 次回予告:運動で血圧を下げよう
次回は、“どんな運動を、どれくらいすれば血圧が下がるのか?”を、最新データを交えてお話しします。

